GX検定でも頻出の重要テーマ「カーボンプライシング(Carbon Pricing)」について、高校生にもわかるように丁寧に解説します。具体例・比喩も交えて進めていきます。
カーボンプライシングとは?
やさしい定義:
「CO₂などの温室効果ガスの排出に“値段”をつけることで、企業や人々に排出削減を促す仕組み」
- CO₂を出すのは“タダ”じゃない
- 出せば出すほどコストがかかる社会にする
- そうすると、企業も人も「CO₂を減らした方が得だ」と思って行動が変わる!
比喩でわかりやすく:
たとえば:
コンビニのレジ袋が「1枚5円」になったことで、多くの人がマイバッグを持つようになりましたよね?
→ カーボンプライシングは、「レジ袋=CO₂」バージョンです。
CO₂に値段をつけることで、「出さない方が得」と思わせるんです。
主なカーボンプライシングの仕組み(2つ)
方法 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
① 炭素税(Carbon Tax) | 「CO₂を出した量に応じて税金をかける」 | スウェーデン、フィンランド、日本(一部) |
② 排出量取引(ETS/Emissions Trading System) | 「排出枠に上限を設けて、余った枠を売り買いする」 | EU、韓国、中国、日本(東京都・埼玉県) |
それぞれ、どう違う?
炭素税:シンプルで安定
- ガソリンや電気、工場の燃料などに「CO₂税」を上乗せ
- 税収は、再エネ普及や脱炭素技術の補助金に使える
たとえば:
- スウェーデンは1990年代に導入。現在は1トンあたり150ドル超という高額な税率ですが、経済は成長しつつCO₂は大きく減少
排出量取引(ETS):柔軟で市場型
- 国がCO₂排出の「上限(キャップ)」を決める
- 企業はその枠内で排出できる
- 余った枠は売れるし、足りなければ買える
- 排出を減らせば「儲け」、増えたら「コスト増」
例:EU-ETS(世界最大の排出取引制度)
- CO₂の価格が年々上昇 → 石炭火力のコストが増す → 再エネに投資がシフト!
日本の動きは?
区分 | 内容 |
---|---|
国全体 | ● 2012年から「地球温暖化対策税(=軽い炭素税)」導入(トン当たり289円) ● 2023年からGX推進法により「カーボンプライシング本格導入」に向け検討中 |
地方自治体 | ● 東京都と埼玉県が「都市型ETS」を運用中 (オフィスビルや工場などに排出量の上限) |
今後 | ● 2026年から「GXリーグ」参加企業への排出枠取引が本格化予定 |
カーボンプライシングのメリット・デメリット
観点 | メリット | デメリット |
---|---|---|
環境 | CO₂削減のインセンティブ | 効果が不透明な場合もある |
経済 | 新技術や再エネにお金が回る | 負担が増える産業も |
公平性 | 汚染者負担の原則に合致 | 低所得層にしわ寄せも |
→ だからこそ「税収の使い道」「再分配政策」がカギ!
まとめ
用語 | 内容 |
---|---|
カーボンプライシング | CO₂に“価格”をつけて、削減を促す制度 |
炭素税 | 出した量に応じて税金を取る |
排出量取引 | 排出枠を売買して市場で調整 |
日本の状況 | 国は炭素税、地方はETS。将来は本格化へ |
※記事内容については、事実確認を心掛けております。しかし、学習(インプット内容をアウトプット)としているため、誤った認識がある可能性がございます。ご了承くださいませ。
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