【ゼロから学ぶGX検定】SSPシナリオとは?③

7:大人の為のリアルドラゴン桜

SSPシナリオの理解の補足として、下記の2つをご紹介します。

  1. SSPとRCPの違い
  2. SSPが日本のGX戦略にどう関係しているか

SSPとRCPの違い

結論から言うと:

項目SSPRCP
正式名Shared Socioeconomic PathwaysRepresentative Concentration Pathways
意味社会の未来像(人口・経済・政策など)温室効果ガスの濃度(CO₂のシナリオ)
「世界が協力して持続可能な社会に向かう」「2100年にCO₂濃度がどれだけになるか」
主な使い方社会の変化をシナリオに反映する地球温暖化の影響(気温・海面上昇など)を試算する

わかりやすくいうと:

  • SSPは「人間の行動シナリオ」です。
     →「世界中が協力する?分裂する?経済成長はどうなる?」といった人間社会の未来の物語
  • RCPは「温室効果ガスの未来予測」です。
     →「このまま排出すると2100年にどれくらいCO₂が溜まるか?」を表す数字のルート

セットで使うのが今の標準:

たとえば、

  • SSP1-2.6
     →「持続可能な社会(SSP1)を目指し、CO₂も大きく削減(RCP2.6)」
  • SSP5-8.5
     →「技術まかせの爆走経済(SSP5)で、CO₂濃度は大爆発(RCP8.5)」

つまり、
SSP=どう生きるか(人間側)
RCP=その結果、地球はどうなるか(環境側)
という組み合わせで、未来の「もしも」をシミュレーションします。


SSPが日本のGX戦略にどう関係しているか?

🇯🇵GX(グリーントランスフォーメーション)とは?

日本が「2050年カーボンニュートラル」を目指して打ち出した国の大きな方針です。
産業構造・エネルギー構造を変革して、経済成長と脱炭素の両立を図る。


GXとSSPのつながり:

  1. どのSSPに近づきたいか=GXの方向性を決める材料になる
     → GX戦略は「SSP1(持続可能な社会)」を目指していると考えられます。
  2. SSPベースの温暖化リスクを想定して、日本がどんな準備をすべきかを議論できる
     → たとえば、SSP3(分断社会)やSSP5(経済優先社会)では、CO₂排出量が大きく、GXの加速が必要になる。
  3. GX実行の効果をSSPと組み合わせて定量評価できる
     → 「GXを実行すれば、どれだけCO₂が減って、どのSSPルートに近づくのか?」を政府や企業がモデルで検討中。

企業や自治体でもSSPが参考にされている

たとえば:

  • 経産省「GX実行会議」
     → GX政策のインパクト評価に、SSPベースの気候モデルを使用
     → 国際的整合性(IPCCやIEA)を保ちながら、日本独自の道筋を描く
  • 自治体の気候戦略や脱炭素ロードマップ
     → 「SSP2だとこのまま気温が○度上昇」などのモデルを元に、地域のリスク対応や再エネ導入計画を立案

まとめ

観点内容
SSPとは社会の未来像(人間の行動・政策)を描いたシナリオ
RCPとは温室効果ガスの排出量・濃度のシナリオ
GXとの関係GX政策が、どのSSPルートに向かうかを考える基礎になる/SSPベースでGXの効果やリスク対策を分析できる

※記事内容については、事実確認を心掛けております。しかし、学習(インプット内容をアウトプット)としているため、誤った認識がある可能性がございます。ご了承くださいませ。

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