今回はGXや気候変動を学ぶうえで超重要な「パリ協定」について、次のポイントで整理してご説明します。
パリ協定のプロフィール(いつ・どこで・どう決まった?)
項目 | 内容 |
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正式採択 | 2015年12月12日 |
採択場所 | フランス・パリ(COP21/第21回気候変動枠組条約締約国会議) |
発効日 | 2016年11月4日(55カ国以上が批准して発効) |
採択対象 | 196の国と地域(ほぼ全世界) |
背景の問題 | 地球温暖化が深刻化する中、「京都議定書」では不十分だったため、新しい世界的なルールが必要に |
パリ協定の内容と目的
目的:
「産業革命前からの世界の平均気温上昇を2℃より十分下回る水準に抑えること」
「できれば1.5℃に抑える努力をする」
主なポイント(わかりやすく):
内容 | 解説 |
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● 全参加国がCO₂削減目標を出す | 先進国だけでなく**全ての国(途上国も)**が参加(これが京都議定書との大きな違い) |
● 自主目標(NDC)制度 | 各国が自分で決めた目標を提出・更新し、PDCAを回す仕組み |
● 5年ごとの見直し | 目標の「強化」が義務化(後戻りNG、前進あるのみ) |
● 長期目標 | 今世紀後半にはCO₂排出を実質ゼロにする(カーボンニュートラル) |
● 適応策の重視 | 温暖化の被害を受ける国への支援(特に発展途上国)を明記 |
なぜ重要?(意義)
ポイント:
- 全世界が参加する初の「法的枠組み」
→「地球規模の温暖化対策」が本格的にスタート!
- 先進国・途上国という分け方を超えた協定
→ 途上国の急成長(例:中国・インド)にも対応
- GX(グリーントランスフォーメーション)やESG投資の原点
→「パリ協定に貢献する経済活動」が、国・企業・投資家の行動基準に!
4. 京都議定書との違い(比較)
項目 | パリ協定 | 京都議定書 |
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採択年 | 2015年 | 1997年 |
発効年 | 2016年 | 2005年 |
目標の形 | 各国が自主的に目標設定(NDC) | 先進国に法的な数値目標(削減義務) |
対象国 | すべての国(先進国も途上国も) | 先進国中心(途上国は削減義務なし) |
枠組みの柔軟さ | 定期的な見直し+強化が前提 | 固定的で長期的なルール |
失敗の背景 | ― | アメリカが離脱し、実効性に欠けた |
長期目標 | 1.5℃/CO₂実質ゼロ | 明記なし(数値目標重視) |
たとえて言うと・・・
- 京都議定書=「クラスの優等生(先進国)だけが罰ゲームで掃除するルール」
→ 不公平で、サボる生徒(国)も出てきた
- パリ協定=「全員が自分で掃除分担を決めて、毎週チェックされるルール」
→ 自主性と協力性がベース。でもさぼるとバレる!
現在の動き(2020年以降)
- 各国がNDC(削減目標)を5年ごとに更新
- 1.5℃目標を守るには、2030年までにCO₂を半減が必要とIPCCが警告
- 世界中のGX政策・ESG投資・SDGs活動は、ほとんどが「パリ協定への貢献」が前提
まとめ
観点 | 内容 |
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協定名 | パリ協定(Paris Agreement) |
採択 | 2015年パリ/COP21で196か国が合意 |
意義 | 地球全体で温暖化を1.5~2℃以内に抑える/カーボンニュートラル実現へ |
京都議定書との違い | 先進国だけ → 全世界が当事者/数値義務 → 自主目標+強化サイクル |
※記事内容については、事実確認を心掛けております。しかし、学習(インプット内容をアウトプット)としているため、誤った認識がある可能性がございます。ご了承くださいませ。
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