「ゴールスプリントは苦手だ。
だけど、それは
今、克服する。
言い訳なんか、言ってらんないんだよ」
もし、人生で、負けられない戦いがあって、
この気持ちで挑むことができたら、
結果はともかく、
その経験は、きっと、その人の今後の人生の大きな糧となる。
そんなことを教えてくれるワンシーンです。
今回ご初回するのは、
『弱虫ペダル』32巻。
『弱虫ペダル』とは、
高校生の自転車競技部が、
インターハイ優勝を目指して日々を重ねる、
何歳になっても、学びが多い名作です。
弱虫ペダル
作 :渡辺航先生
出版:秋田書店さん
今回ご紹介したいのは、31~32巻の一年生レース。
主人公小野田坂道が2年生になって、
後輩も入ってきて初めての、チーム内での本格レース。
この時の1年生レースは、
インターハイ最後の1人が決まるという、
非情に大事なレースです。
冒頭の言葉は、このレースに参加した
2年生の杉元照文。
小野田と同級生ながら、インターハイに出るために、
このレースに志願。
もちろん、ただ志願をしただけではなく、
ここに向けて、人一倍の練習を重ねてきました。
1位になったら、インハイ出場、
そうでなければ、今年は参加できないという状況で、
杉元はレースに挑みました。
このレースの本命は、
中学時代に実績がある鳴り物入りルーキーの2人、鏑木と段竹。
勝負は序盤から、この3人が争うレースとなりました。
自転車競技は、数がモノを言う勝負でもあります。
体力を削られる要因の一つである空気抵抗を
先頭のひとりが風よけになることで、
それに続く仲間は体力を温存したまま、
走ることができます。
2人で挑む鏑木と段竹、
一方、たった独りで戦う杉元。
もともとの実力差や実績から言っても、
鏑木や段竹が優勢であったのに加えて、
人数でも劣勢に追い込まれます。
途中、諦めかけた時に、
同級生の励ましを受けて持ちなおし、
それでも、またくじけそうになった時に、
一学年下の弟に助けられて、
最後、鏑木と段竹に追いつきます。
もともと、ゴールスプリント(≒ラストスパート)では、
あまり自信のない脚質の杉元は、
先行逃げ切りをゲームプランとしていました。
しかし、ゴール直前の局面は、
ゴールスプリントで二人に挑まなければならない。
鏑木と段竹も、ワンツーフィニッシュを狙い、
死に物狂いでペダルを回します。
その2人を追いかける時に、
杉元が自分に向けて、叫んだ言葉。
それが冒頭です。
「ゴールスプリントは苦手だ。
だけど、それは
今、克服する。
言い訳なんか、言ってらんないんだよ」
言い訳なんか言ってらんない局面は、
人生に多々あります。
それが自分にとって、劣勢や不利な場合もあります。
しかし、そんなときこそ、
最後の最後まで、勝つことだけを信じて、
自分を鼓舞し尽くし、
やり尽くすことができる。
そんな経験があれば、
勝ち負けという結果も大事ですが、
今後の人生の勝者となる大きな糧を与えてくれます。
私たちはよく、苦しい局面では、自分に言い聞かせます。
「ゴールスプリントは苦手だ。
だけど、それは
今、克服する。
言い訳なんか、言ってらんないんだよ」
杉元の言うゴールスプリントは今。
言い訳なんて言ってらんない。
最後まで走り抜くだけだ。
そうやって、逃げずに、言い訳せずに、
最後まで戦い抜いた経験が、
やっぱり自分にとって有難い経験となっております。
あなたも苦しい時に、
この杉元の言葉を励みにしませんか?
「ゴールスプリントは苦手だ。
だけど、それは
今、克服する。
言い訳なんか、言ってらんないんだよ」
あなたは苦しいかもしれません。
それは、あなたにとってのゴールスプリント。
最後まで、自分に言い訳せずに走り抜くことが、
そこでの勝ち負けは関係なく、
あなたに納得いく人生を贈ってくれます。
今日も最後まで読んでくれて、ありがとうございました。
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