今回は、パリ協定の心臓部とも言える仕組み、
「グローバル・ストックテイク(Global Stocktake/GST)」について、
丁寧に解説いたします。
グローバル・ストックテイク(GST)とは?
やさしい定義:
世界全体で、温暖化対策の進み具合を“5年ごとにチェックする仕組み”です。
- 各国の努力(NDC)を集めて
- 世界全体で「このままでは1.5℃目標に間に合うのか?」をチェックし、
- 次の行動に活かすための**“気候の成績表”+改善ミーティング**のようなものです。
比喩で分かりやすく:
たとえば、「全校マラソン大会で、みんながゴール(1.5℃目標)を目指している」とします。
→ 5年に一度、今どこまで進んでるか?遅れている人はいないか?コースは合ってるか?をみんなで確認するのが、グローバルストックテイク!
何のためにやるの?
目的 | 内容 |
---|---|
① 成果を確認 | パリ協定の目標(1.5~2℃未満)に向けて、世界の行動が足りているかを見る |
② ギャップを発見 | 足りないところ(排出削減、資金、技術、適応など)を特定する |
③ 次のNDCにつなげる | 各国が**もっと高い目標を立てるための“根拠”や“圧力”**になる |
実施スケジュール
年 | 内容 |
---|---|
2021年 | 第1回グローバルストックテイク開始(情報収集・分析) |
2023年 | 第1回の成果報告 → COP28(ドバイ)で政治的メッセージに |
2028年 | 第2回(パリ協定に基づく5年ごと) |
GSTの3つの柱(分析対象)
- 緩和(Mitigation):CO₂など温室効果ガスの排出削減
- 適応(Adaptation):洪水・干ばつなどへの備え
- 実施手段(Means of Implementation):資金・技術・キャパシティビルディングの支援体制
→ つまり、「どれだけ減らしてるか」だけでなく、「どれだけ備えてるか」「どれだけ支援してるか」も評価!
COP28での第1回GSTのメッセージ(要約)
- 「現在のままでは1.5℃目標には届かない」
- 「2030年までにCO₂を約43%削減しないと間に合わない」
- 「再エネの3倍導入/エネルギー効率の2倍改善/石炭の段階的廃止」が必要
→ 世界中に「もっと強い目標を次に出して!」という圧力がかかる!
グローバルストックテイクと日本のGX戦略の関係
- 日本政府も、GSTの評価を踏まえてNDC(削減目標)を更新する必要あり
- 企業もTCFDなどの情報開示で、「世界の気候目標と自社行動が整合しているか」を問われる時代に
- GSTは“国家だけでなく、企業にも影響する評価機構”
まとめ
観点 | 内容 |
---|---|
名称 | グローバルストックテイク(Global Stocktake) |
目的 | 世界全体の温暖化対策の“進捗と課題”を5年ごとに評価 |
タイミング | 第1回は2023年COP28で報告/次は2028年 |
意義 | 各国の目標見直しの根拠に/1.5℃目標達成への重要なステップ |
対象 | 緩和・適応・実施手段の3分野 |
※記事内容については、事実確認を心掛けております。しかし、学習(インプット内容をアウトプット)としているため、誤った認識がある可能性がございます。ご了承くださいませ。
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